ウクライナ侵攻の裏で進む世界食料争奪戦 激安を賛美する日本の危うさ

 

テレビやそれに出ている橋下や玉川始めどうでもいい役に立たない輩達は下記のことを全く触れない。。。。         おそらく、75歳以下の国民が味わった事が無い未曾有の食物危機が来るやもしれん。  安倍が悪いとかまだ言っている顔つきの非常に悪い大学教授は、仕事が全く出来ないのをカモフラージュをする為に安倍を非難をしている。              ロシアの侵略が終わったら、どうなるかを言って見ろーーー!!!        殆どの評論家や大学教授やコメンテーターはチンプンカンプンの事しか言わないだろう。                        侵略が終わって少し月日が経つと政権を非難を始めるのが目に見えているわ。。。

 

 

 

 

ウクライナ侵攻の裏で進む世界食料争奪戦 激安を賛美する日本の危うさ

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NEWSポストセブン

2009年2月、「サハリン2」のLNG基地視察する左から、オランダのマリア・ファンデルフーフェン経済相、メドベージェフ・ロシア大統領、アンドルー英王子、麻生太郎首相(すべて当時、EPA=時事)

 

ウクライナとロシアを両天秤にかける中国

 

日本のエネルギーに対する対外依存は戦前とほぼ変わらない。むしろあの当時以上にエネルギー資源を常に確保しなければ日本そのものが終わるほどに、国民生活も含め対外依存は大きくなっている。食料などまさにそれで。 「そうですね。私は食料が専門ですが、たとえば中国はとくに牛肉と小麦が欲しい。以前牛肉の話はしたと思いますが、どんだけ小麦が欲しいんだってくらい、これまでも買い漁ってましたからね」  肉に関してはこれまでも『憂国の商社マンが明かす「日本、買い負け」の現実 肉も魚も油も豆も中国に流れる』および『商社マンが明かす世界食料争奪戦の現場 日本がこのままでは「第二の敗戦」も』で言及してきたが、中国はその圧倒的な経済力と金に糸目をつけない「買い勝ち」で世界の食料を買い漁ってきた。国力の低下と円安、過度の品質へのこだわりはもちろん、改善書やら報告書やらに過剰な要求をする「めんどくさい客」としての商慣習により「買い負け」の日本。それとは対照的に中国は必要ならば十分な金を出し、細かいことには気にしない商慣習(国民性?)でアメリカと中国によるコンテナ輸送のドル箱路線を確立した。同じく拙筆『なぜポテトはSのままなのか 日本の港がコンテナ船にスルーされる現実も』でも言及した通り、ついには日本に寄ると損、とばかりに一部の船会社では日本に寄り渋り、抜港するようになった。 「もちろんウクライナからもロシアからも、中国は小麦を調達してきました。これからも両天秤でうまくやるのでしょう」  中国はロシアのウクライナ侵略からすぐ、ロシア産小麦の輸入拡大を発表した。ロシアに対しては検疫による制限をかけていたが一気に方針転換した。そしてウクライナには1000万元の物資を送るとした。 「中国は世界トップクラスの援助国なんです。なんだかんだ、金を一番くれる人がいいでしょう。それを中国はわかっている。まして中国は金と一緒に物資も出すんです。貧乏な国はお金も喜びますが現物をもっと喜ぶ」

 

中国はロシア経済も飲み込もうとしている

 

小麦と聞くと小麦粉そのものはもちろんパン、うどん、パスタを想像するだろうが、加工食品としては餃子(皮)やカレーのルー、菓子などあらゆる食品に小麦が使われている。冷凍食品も、コンビニ弁当も、カップ麺も、私たちが現代社会で便利に食している多くの商品に小麦が使われている。自給率は10%に満たないというのに。 「もちろん日本はロシアやウクライナから小麦はほとんど輸入していません。ロシアもウクライナも小麦輸出大国ですがEUの一部やアラブ、北アフリカ向けですからね。でもシカゴ(穀物市場)の相場は個別で関係なくとも影響を受けます。もちろん日本もです」  米国のシカゴ商品取引所は取引量と金額が世界で最も規模が大きいため、そこでの小麦やトウモロコシなど農産物の価格は「シカゴ相場」と呼ばれ、世界の穀物価格の指標として扱われている。そのシカゴではこの3月、14年ぶりに最高値が更新された。もちろん戦争、世界の小麦輸出量全体の16%を占めるロシアと、10%のウクライナという小麦の世界的産地の影響だ。  日本にとってロシアやウクライナの小麦は関係ないが、世界全体の供給量の減少は回り回って日本の買い付け価格の高騰も招く。日本が買っていたアメリカ、カナダ、オーストラリア(この3カ国で日本の小麦輸入の9割以上を占める)の顧客に、これまで以上にEUや中東、アフリカが割って入ることとなる。 「3月に入って農水省は(小麦の引き渡し価格を)17%引き上げました。いまは引き上げ前の価格で市場に回ってますが、在庫が無くなる夏くらいには小売に反映されるでしょうね」  小麦は米とともに主食であり国民生活の生命線のため国家貿易下にある。そのため日本政府が一元輸入して企業に販売しているが、戦争が始まる前から小麦の高騰と円安による厳しい綱渡りが続いていた。そこにロシアのウクライナ侵略。戦争が長引けば小麦はもちろん他の穀物も高騰するだろう。戦争の拡大はシーレーン海上交通路)にも影響を及ぼす。 「戦局次第では買い負けどころの話ではありません」

 

決して大げさではなく、日本国民を日々食べさせるのに石油や穀物を航空機だけで運ぶわけにはいかない。巨大船舶でひっきりなしに運ぶしかないのだ。もちろん日本のシーレーンは太平洋が中心だが、ロシアやウクライナ海域、その海域のシーレーンの影響をモロに受ける関係諸国(とくにEU)の船舶輸送が打撃を被れば、ただでさえ上がり続ける船賃がさらに上がる。船の保険料も上がる。世界各国の損保会社はもちろん、日本の大手損保3社も海上保険料の値上げを決めた。それらはすべて日本の買い負けと、さらなる国内の価格高騰、日本人の生活に影響を及ぼす。今年はあらゆる輸入に頼る商品が高騰することだろう。 「その点、中国が一番美味しいんです」  それはそうだが、アメリカはどうか。 「アメリカは中国には本気になれないと思います。中国はうまくロシア、ウクライナ両方と付き合い続けています。アメリカともそうです。ロシアには強気のアメリカも中国には苦言だけ。実際、今日このときも米中航路は順調ですからね。現場知ってる人はわかるでしょうが、米中の仲が(決定的に)悪くなるとか、手を切るとか絶対ないですから。腹立ちますけどね」  これはまったくそのとおりで、米中はトムとジェリーではないが「仲良く喧嘩」しているだけである。もちろんアメリカも自国を犠牲にしてまでロシア問題に首を突っ込む気はない。おそらく中国は彼の言う通り、この戦争を機に一帯一路、シルクロード経済ベルトの覇者となるかもしれない。  中国はこの戦争が始まる前の2月4日、中露首脳会談で年間480億立方メートルもの天然ガスの供給契約を結んだ。また契約には小麦の輸入量拡大も盛り込まれていた。ロシアには世界の4割を産出するパラジウムなど貴重な資源も多い。中国はその強大な経済力でロシアと協力どころか従属させようとしている。ロシアが勝っても負けても、プーチンがどうなろうと、すでに紙くず寸前のルーブルとジャンク級の格付けとなったロシアは中国経済に頼らざるを得ない。中国、いまのところしてやったりだろう。 「日本もその辺はうまくやるべきでしょう。したたかにロシア、ウクライナとも関係を維持するべきです。まだ金出せば調達できる小麦はともかく、さきほどのサハリン2なんて絶対に撤退なんかしちゃだめですよ」

 

あくまで商社マンとしての立場の話だが、ビジネスとすれば正解だろう。日本はコロナ禍でも世界的に厳しい自粛を国民に強いてきた。国民の生命が大切なことは当然だが、経済的には厳しくなり、「命より経済」の大国からはさらに遅れを取りつつある。政府も本音は経済優先なのだが、生真面目な国民性に苦慮しているように思う。ウクライナ支持はもちろん、許されざる侵略者ロシアを非難するのも当然だが、エネルギー資源もなく食料の大半も輸入に頼らざるを得ない国である日本は資源大国のようにはいかない。ロシアと通じて私腹を肥やす日本の利権屋には気をつけなければならないが、中国にみすみす横取りされるのもまた国益を損なう。 「中国が気に入らないのは私もそうですが、あれだけの大国がしたたかに振る舞っているのに日本が超大国のように威勢よく振る舞うのはどうかと思いますよ。商売で実感する身としては、どこもウクライナを本気で支援しようなんて思ってない、天秤にかけてます」  筆者が思うに、アメリカもEUもお互いの出方を伺っているように見える。あわよくば中国のように、あそこまで露骨でなくとも経済的損失は避けたい思惑がある。ロシアへの経済協力予算21億円をちゃっかり2022年度予算案に盛り込んだ日本政府もまたそうだろう。 「ロシアに制裁しながら援助予算はキープでガス田開発ものらりくらり、ウクライナは本当に可哀相ですがこれでいいと思います。あとは円安だけなんとかしてくれれば及第点なんですけどね。このままだとさらに買い負けが進みます。ウクライナが可哀相なのはわかってますが、日本も食わなきゃいけませんから。みなさん本音はそうでしょう」  まさに世界食料争奪戦、戦争の裏で戦争をしている。国際経済は究極のリアリズムだ。そして日本は小国ウクライナが大国ロシアと戦争しているのと同様に、いやそれ以上の超大国、中国とその戦争を経済でしている。激安賛美、客の神格化、円安政策が中国につけこまれている。経済戦争の敗北は後から気づくもの、負ける過程では気づきづらいだけに恐ろしい。 「その自覚、みなさん薄いと思います。彼らは本気ですよ」 【プロフィール】 日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。