ヘンリー王子の聞き手役であるオプラも過去のつらい体験を明かす
新たにApple TVで公開された「あなたに見えない私のこと オプラ・ウィンフリーとヘンリー王子(The me you can't see)」は、約1時間のエピソード5本で構成されたドキュメンタリーシリーズ。王子や米俳優ロビン・ウィリアムズの長男ザック氏、レディー・ガガといったセレブをはじめ、一般の人々、さらには王子の聞き手を務めるオプラ・ウィンフリーもが、過去のつらい体験やその克服について語っている。 番組は体験を共有する大切さを訴える一方、専門医による解説や王子自らが治療を受ける実際の様子も交え、状況を変えるための具体的なヒントも提供。エピソード5本すべてに登場する王子も、他人を助けるためなら自身の体験を話すと述べている。 このため、王子の発言は各エピソードのテーマに合わせた部分の発言が収められており、英メディアはそれらの内容を一斉に報道した。例えば、大衆紙「デイリー・メール」をはじめ多くのメディアが注目した発言は、王子にとって大切な女性2人、ダイアナ元妃とメーガン妃に関するものだった。
メーガン妃の存在が明るみに出た後「歴史が繰り返されていた」
王子が語る元妃の思い出はエピソード1の冒頭から始まり、シリーズの伏線的な存在。パパラッチに追われていた「母を救えなかった」という悔恨を含む内容は、成長するにつれメンタルヘルスの不調を招いた根本的要因として描かれている。 王子はまず、メーガン妃との交際を公表した後、人種差別的な表現を含む本格的なメディア攻勢やバッシングなどが始まった状況を説明。「歴史が繰り返されていた」と述べた。 「私の母(ダイアナ元妃)は白人ではない人物と関係を持ったことで死に追いやられた。そして今(我々に)起こったことに注目してほしい。歴史が繰り返すなら彼女(メーガン妃)も死んでしまうだろう」 そしてその原因は「常に同じ人々、同じビジネスモデル、同じ業界」だと、メディアを批判した。この裏には、メンタルヘルスのバランスを完全に崩した妃が、妊娠6か月の時に自殺の考えを打ち明けた事実などがあるとしている。しかもそれは劇場での公務の直前に起こった出来事で、席に着いた妃は照明が落ちると泣き出したという。 また、王子は“王室引退”を避けるため「できる限りのことをして(王室に)とどまり、公務を続けようとした」とも述べたが、一方で周囲に対しての働きかけが無駄であったことも吐露。「頼みや要求、警告などそれが何であれ、完全な黙殺か無視だった」とした。 そうして王子は、自分の家族のために“王室引退”を決断。「そんなことはできないと言われました。それは、一体どこまで事態が悪化すれば許可されるのかというようなものです。彼女(メーガン妃)は人生を終わらせようとしていた。そんなことは起こってはならない」と当時の心境を明かした。