会見は、17日の14時過ぎから皇居・御所の大広間で行われた。若草色のスーツをお召しになった愛子さまは冒頭、前日に東北地方で発生した地震に言及、被災者にお見舞いのお言葉を述べられたのち、予定されていた質疑へと移った。 「あらかじめお渡ししていた5問と、アドリブで三つの関連質問にお答えになりました。計30分の間、用意なさってきた資料にはほとんど目を向けず、もっぱら記者たちを見渡しながら、語りかけるような形でお考えを述べ続けられたのです」(宮内庁担当記者) といっても、決して“丸暗記”だったわけではなく、 「途中で言いよどまれる箇所もありましたが、そのたびお話しの流れにふさわしい言葉がすらすらと出てきました。いかに時間をかけても、あの分量を正確に暗記できるものではない。ご自身でお考えになり、練り上げたお言葉が頭の中できちんと整理されていたのだと思います」(同)
“お見事”の一言
愛子さまは当日まで入念に推敲を重ねられ、会見直前には大広間で職員を相手にリハーサル。会見中は両陛下も、近くの部屋でご様子を見守られていたという。 「『両陛下や上皇ご夫妻から、皇室の一員としてのあり方をどう学ばれているか』との問いには『皇室は国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たすということが最も大切にすべき精神』と、はっきり仰っていた。“お見事”の一言に尽きます」 とは、さる皇室ジャーナリスト。が、こうしたお言葉に接するにつけ、昨秋に結婚会見を開いた眞子さんの振る舞いが思い出されるところである。 「眞子さんと小室圭さんの会見では、結婚への『賛成』『反対』で国民を敵味方に二分するかのような姿勢が鮮明でした。ですが、それは本来の皇室のあり方からは程遠い。今回の愛子さまの会見で、あらためて皇室のあるべきお姿に触れた気がします。最近の世論調査では、『女性天皇』に賛成と答える人が軒並み80%前後となっていますが、今これを問えば、その割合は90%を超えても不思議ではありません」(同) 満を持して迎えた成年会見は、図らずも天皇家と秋篠宮家の「差」をあらわにしてしまったといえよう。 「週刊新潮」2022年3月31日号 掲載